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非対称性のワナ

 個人事業やフリーランスの方の起業や商品サービスの、よろず相談を受けています。小さな組織単位の主であるオーナーさんが、唱えている「それは大企業だから…」といった声を発したりココロの中で呟いていたりしていることに気づいています。主題を検討した結果がセオリーだったりすると「それは難しい…」といわれているときもあります。

 

 価値の創り込みという産業主体と、その価値の消費減滅という利活用は、対象性を持っているハズです。前に出てきた個人事業オーナーさんたちの相談結果から大胆に推察すると、それは非対象になっていると思わざるを得ません。

 

 どこで非対称になっているのか、何が起きているのでしょう。

 

 実は小さな事業では、この非対称性が随所で顔を出してきます。個人がオペレーションしている創造的な事業エネルギーと、お客様にお買い上げいただいて利活用していただくエネルギーのバランスが、短いサイクルで、とにかくギクシャクしているコトに尽きるのではないかと考えています。

 

 個人事業の商品を生成しているエネルギーは、作家・クリエイターさんは兎に角没頭してものつくりをしていたいものです。これは売り上げの源泉でもあります。これに比して商品をお買い上げしていただいて利活用していただくエネルギーが、前に述べた創り込みのエネルギーと絶えずバランスしていれば、悩むような問題は起きては来ないでしょう。

 

 バランスしていれば、と書きましたがここが問題です。とにかくこのエネルギーバランスが乱れるように、需要変動が上下してギクシャクしているのです。ここの需給バランスを取るために、マーケティングやSNSといった普遍的なロジックに取り組みたくても、当てはめるデータを手に入れても少ないデータでは分析や評価が充分にできないのです。こうした状況下で、このワナに熱中してはいけません。

 

 しょせん、小さな事業主体には、データや情報などは皆無です。ましてや選択するほどお客様の実像や探求している消費価値も不明であるコトが日常なのです。

 

 手元にある使えるマネジメントエネルギーは、自分の ”情理” しかないのです。

 

 自分のやりたいコト、自分ができるコト、この2つの相乗エネルギーしか使えるモノはありません。本当に「何がやりたいのか」「その目的はなにか」といった、自分起点であるというコトを再確認するコトをお勧めしています。

 

 そうしたお手伝いができるよう、ビジネスサファリでガイドをやっています。