事業会社として、開発・設計を行うエンジニア集団の会社に通っていたのですが、始業1時間前くらいには職場に到着して、1階の受付から3階まで開発フロアーを歩きながら自席に着くという日課を持っていました。読者の皆さんも朝のルーティンを毎日課していらっしゃるのではないでしょうか。
朝の現場は、昨日の成果報告を無言ですが話し掛けてくれます。
実験検証のテストルームや一晩中通電されているシミュレーターマシンやサーバー群が動いています。どのような生成データが載っているのか予測や事前報告されているプランが実行に移っているか見て回っていたものです。
長時間の検証をマシンに掛けたエンジニアは、心配事がある人ほど朝早く出てきてしまうもので、そういう鉢合わせを何度もしたものです。重大なバグを発見したときには、かなりのデグレ―ションを起こします。しかも納期を後ズレ出来ないとすると、挽回リソースを何倍も掛けなければならず、当然のコトながら経営判断を伴ってきます。こうしたダイナミズムはエンジニアとしてもマネジメントとしても苦楽を交じり合わせながらも、リーダーシップの発揮処でもあります。
ハード、エレキ、ソフト、マーケと複雑なファクターが交錯しているのですが、この時どのようにしてリソースシフトを行い、デザインチェンジのエネルギーを見い出して、リカバープランを書き上げ実行に移していくかが問われています。
着手と納期を行列化した、いわゆる線表ではコントロールは不可能でしょう。
多種なファクターを理解して判断するコトは大変な難しさを伴っています。現役の時には ”FV1000点法” という重み計数を乗じた方法で、すべての確認ポイントを数え、ヨコ軸のタイミングとタテ軸の確認数で表現した曲線が描かれます。
【このFV1000点法の話は別にしましょう】
開発していたスマホの場合、6か月で26万ポイントを数えていました。
マネジメントの整理整頓から始まる5Sは、早朝の現場から始まっています。
早起きして、現場を見てみませんか…。