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思考の両義性

 

 両義性という聞き慣れないコトバを表題にしました。このブログがテーマとしている”気づき”においても、具体的に思い当たったとしても、その気づきにすら背反する逆転の思考ベクトルが存在するコトを肯定したい。

 

 思考の多様性を認めるということは、異見があるからっと言って何も決まらないというコトではありません。

 

 プランBを考えていくためにも、思考はあくまでも柔軟でありたいものです。

写真のようにジャングルには道はありませんが、誰も通らない訳ではありません。事実、光は射しているし、風も通っているものです。

 

 違ったいい回しをすると、”誤謬主義”です。

正しいと思って決断したかもしれないが、それは間違っているかも知れない。こうした知力を持つことがリスク対応スキルを高めていくと信じています。

 

 [ブラックスワン] 企業理念に「お客様の満足度」といったフレーズが入っているケースがあります。その企業にとって、お客様とは誰のことか、そのお客様の満足とはどのようなコトか、そしてそれらは計測できる指標があるのかと問い掛けが続きます。定量化できない目標では、絶対にゴールするコトはありません。

 

 5段階評価のような定性的な評価をしているサービスがたくさんありますが、数値データが定量的に見えてしまいますが、3.8点から3.2点に下がっても、事業者は、何ら具体的な行動をとるコトは出来ないのではないでしょうか。

 

 本質的に3.8点の採点は、評価分布の中央値でしょう。これより点が高く4.4点などという評価は、お客様がまったく使わないサービスにも、コストがたくさん掛かっていると考えられ、最終的にはお客様の満足度は下がってしまいます。

 

 こうした定性化の罠に嵌らないためにも、その事実だと言っている数値にどのような意味があるのか考えてみるコトが大切だといえます。4.4点が、8人の5点と、2人の2点だったとすると、大多数が満点だったというコトはお客様の価値観を測定できていない可能性があります。同時に2点が2割もいたとなると、ターゲット顧客がミスマッチしているのかもしれません。

 

 3.8点と4.4点はどちらの事業がうまく回っているのでしょうか。

満点という評価サチレーションしている採点は、大変危険な結論を出してしまう、可能性が内在しています。バランスが取れているのは3.8点の方かもしれず、価値取引の誤差が少ないとも言えないでしょうか。

 

 100点を取った子供は、もっと難しい問い掛けに出会えなかったといえます。

可能性を失ってしまう天井に遮られないよう、思考は柔軟性を持ちたいものです。