左図はケーススタディに使っているエコシステム図です。先回のニューノーマルになるでお話したように思考投資が向かう、その先を考えてみませんか。
左図のサイクルは「顧客満足度経営」あるいは「社員満足度経営」といった市場に参加している人の精神的なよりどころになるポイントを突いています。この2つは不可分であり裏表でもあります。
新型コロナの影響としてニュースになっている、自組織の具合が悪いというコトが伝えられているように、図の下段にある「収益結果→生産性→ペイ→社員」といった処に焦点が当てられ、プロセスの維持費を追加投資して元通りにしようとの主張がたくさん見られますが、それでいいのでしょうか。
ニューノーマルになる前段階で起きているコトは、お客様が新たに起こしている行動変移の中身に注意深く観察してみる必要がありそうです。経済的にネガティブなインパクトが生じている訳ですから、お客様は収入減の中で、日常の生活でパフォーマンスを上げていく努力をしています。出費を切り詰めるコストカットに走ったり、副業などの新たな収入源を求めて活動を始めていりします。顧客像として同じペルソナ設定であっても、明らかに欲求は変化しているのです。
「お客様の利用価値」「顧客価値の創造」は市場にあって最も価値が高まっている兌換接点です。今の経済環境をのり越えていく、時間の投資先はこの辺りだと言っていいだろうと思います。B2Bのケースだと、生産性やペイのフィールドでTPSのように効率性を高めていく活動も大切でもありますが、新しい顧客価値を生み出していくトコロは投資対象としても魅力あるものです。
経済用語としてのイノベーションとは、チェンジでありリフォームといった意味合いを持っています。読者の皆さまのマネジメント・フィールドにあってもこうした取り組みが必要だと確信しています。NAOS研究所はそうしたランディングを構造構成思考で支援したいと願っています。