DX (2)

 DX(デジタルトランスフォーメーション)の浸透過程にあると前回書き込みました。今訪れている高速度の通信環境5Gが提供されるころ合いには、ITやAIのテクニックなどの話は表に出てこなくなると考えられます。

 

 デジタルなテクノロジーが充分提供されている環境では、それがもたらすファンクションに気を取られガチに成るのですが、そのツールで何が出来るのか、しっかりと考えてみるコトが重要になっていると考えられます。

 

 

 メーカーで研究職についているエンジニア諸氏でも、√計算やlog計算を手計算で行っている人はほぼ居なくなって、電卓やエクセル計算に移り変わっただけでなく、今では計算式を目にすることも少なくなっています。開発現場では、数理シミュレーションが充実しており、インプットを作る要件定義とアウトプットを検証するコトが、メーカー研究職の主な仕事になってきています。

 

 エンジニア諸氏が行っている商品開発の現場は、ニュートンやアインシタインのような自然科学での発見ではありません。技術の開発現場では、公知の課題解きの組み合わせが繰り返し試行されています。従って公知の課題解きの部分は、手計算から前出の数理シミュレーションにとって代わっているのです。

 

 現場で何が起きているのかと思うと、2つの専門ルートがあります。1つはITやAIといった共通のアルゴリズムを創造するJOBです。これは全世界で最も効果的なツール群が、優勝劣敗の競争下で生き残りをかけています。2つ目はそうした共通マクロを使って、社会課題をコンシューマーに支持されるように解き明かすモデル創造する社会の課題解きで、ローカライズされたJOBです。

 

 BS-NHKさんのクールジャパンで紹介されているビジネスでは、2つ目のJOBが主題になっているコトが見て取れます。テレ東さんのガイヤの夜明けでも、2つ目が主題に成っているように、日本で成功と言われているビジネスが、世界のテクノロジー格差に晒されている現実でもあります。

 

 極めて大切だと思うコトに、成長カーブの小さな階段を確実に踏み込んでいく日本の特質を磨き込んでいくカタチで道が開けているのです。新しいビジネスとして取り上げてきた、タネの提供においても細部にクールな思考をしていきたいものです。