シニアライフ戦略とかシニアステージという講題で、50歳前後の方を聞き手としてお話をすることがあります。
75歳は後期高齢者と言われていますが、50歳+の人が25年後辿り着いた姿は、今の後期高齢者のイメージとは違っているのではと思っています。では、どのような75歳になっているのか問い掛けています。
Q1: あなたが75歳のとき、どのような人生を送っていますか。
Q2: そのために、今あなたの時間をどのように使っていますか。
企業に勤めている方々にとって50歳+の年齢は、現在からリタイヤまでのシナリオが既に見えていると思います。その時間が25年ほどある訳ですが、ここで何を考え、何をするのか極めて重要な岐路に実は立っています。最初の気づき(1)は、この時間量です。
働く+食べる寝る+自分時間、だとすると、3分の1が自分に使える訳で365日×8年で約約3,000日となり、時間換算で72,000時間というボリュームがある事実に気づき(2)ます。
また、専門的なスキル獲得するまでの熱中時間は、10,000時間とも言われていますので、単純に考えても、7つの専門領域のスキル到達までの時間があると考えられます。つまり、今からでも学び直しができ、さらには30年間の職務経験や趣味や好きなコトに費やした時間がある筈です。こうしたアマチュアなスキルを棚卸しして、自分がやりたいことへ変革させていく、気づき(2)の時間量は十二分にあり、何ら悲観することは無いのです。
ここまでは、多くのシニアライフ戦略といったセミナーで講師が指摘しているものです。短絡的に考えてしまうと人が資格ビジネスの餌食になってしまいます。自身の経路依存性が乏しい領域に漕ぎ出していく不連続な時間の使い方では、社会が求める専門スキルとは言えないケースに踏み出してしまいがちです。一度も経営経験のない方が、○○企業診断士ですよと言っても、温かく迎えてくれる中小企業のオーナーは現れないのではないでしょうか。
働き直し、学び直し、といった行動を起こしていく前に、何のためにそうした成果を出そうとするのか、構造的に考えて置くことを推奨します。多くのケーススタディで取り上げている「自己実現」に取り組むといった思考では、いわば何をやっても構いませんが、自分時間の消費行動だといえますので、社会への貢献や収入源としては不成立です。
では、社会へ貢献しつつ収入源もあるような活動をしている75歳を想定したとき、やはり大切なコトは「求められている」ているコトが大切になってきます。自分の周囲や社会から必要だとされる”おっさん”になるために、「いま今何をすべきなのか」と考えてみるコトが、「シニアライフ戦略」の本題に取り組むことに成ると思います。
最後にもう一つ質問をして終わります。
Q3:最近「ありがとう」と言われたコトがありますか。
(いつ、どこで、だれに、何をしたのでしょう)