OJTの限界

 企業の若いエンジニアが集う開発環境での場を使った、OJTとしての機能は減退しているように見える。 

 

一つには、すり合わせを徹底的に排除して、開発効率を追求するデジタルスタイルの開発プロセスが採用されて、不確実性を極度に嫌ってきた副作用として思考力に幅が無くなったと感じています。

 

 二つとして、高度に洗練化された開発プロセスが現場で採用され実施されている環境下では、若いエンジニア層で変革を受け入れる柔軟性が決定的に失われていると感じています。

 

 エンジニア集団の人材育成であっても、回りくどい手間のかかるステップを昇るコトを採用して成長を見える化しておく必要があると考えています。育成現場の課題に指導を受ける人材と、指導をする人材が存在していますが、課題を両者が持っていると認識しています。

 

 上記の四つの階段は、コーチング現場での両者の関係を示唆しています。

本題は、四段目の自立ポイントまで上がってきて一人で考え行動できるようになった時に、何にチャレンジするのかという重要課題が顕在してきます。この自律ポイントから、後進の人材のコーチングを担うという進展や、もっと高みのエンジニアリングへ向かう進展など、真の自立プロセスに入っていくコトになります。

 

 この真の育成段階では勿論ティーチングスタッフもコーチングスタッフも居ません。

人材育成の真の目的は、こうした変革プロセスを自ら担って行くのですから、マネジメントスキルを徹底的に鍛えておくことが極めて重要ポイントになってくるのだと信じています。

 

 羅針盤のない変革プロセスについては、別の記述で書いてみたいと思います。