立ち止まる(Ⅱ)

 

 先回、山の道標で「立ち止まる」というコトをお勧めすると同時に「考える」という提案をしました。ロダンの彫刻造形では立ち止まるだけでなく座り込んでもいます。

 

 

 リーダーを担っている人にとって戦略思考を常に怠らず、考え抜いて考え抜くという知力が求められてもいます。掲げたマネジメントモデルは伝統的なPDCA帰納モデルですが、両辺の市場を結ぶマーケティング戦略のプロセスを加えると、オートマティックなフィードバックコントロールになります。組織マネジメントをする上でサイクリックなプロセスを想定できれば、数値的な評価の意味が出現してきます。

 

 今日の経済ニュースで、1,000円超えの株価下落があったというショッキングな一報が流れました。皆さんの会社ではこれに連動したマネジメント上のアクションを目にしたでしょうか。上記のエコシステムモデルのインプットに株価情報のインパクトが加わったのです。その前段ではCOVID-19の流行で世界的に物流が大変動していたはずです。

 

 PDCA帰納モデルに。学習プロセスを加えたものが左図です。 COVID-19をトリガーとして株価インパクトが派生し、これをレビューした時、行動修正したか計画修正したかというのですが、理念マネジメントを行っているサッカー協会はJリーグの試合そのモノを延期しました。野球は無観客試合としてオープン戦を予定通り開催するコトにしました。相撲はまだ迷っているようです。

 

 

 想定外の過大入力があると、知覚ディレーが起きたのち認知が進み出力に変動が現れます。ここに現れる出力変動がどのように生じるかが問題です。スマホ大手の企業は部品調達の乱れや操業の問題が克服できず、略▲50%の出力減が想定されると発表しています。中国での日本勢クルマ生産は、もう少し醜い状態だと想定されます。国内でもこうした影響を受け、経営破たんするケースが出てくるだろうと思いますが、マネジメントリーダーの思考力の中に自組織のマネジメントモデルが想定され、何を守るのかという観点が露出して来るのだと考えられます。

 

 三現主義の原則からして、経営が現場を正しく分析評価できているかどうか、その上で効果的な行動を起こしているかどうか。そして分析評価行動といったフィードバックコントロールが正常に機能しているかどうか、というマネジメント責務であるというコトでもあります。

 

 いま過去情報を掘り起こし、過大入力として加え続けていくと、エコシステムは通常2つの経過を辿りがちです。(1)が反応が過剰になり振動子のように大きくブレ始め、ついには発散状態になりコントロール不能まで振れ続け、最後は破壊(倒産)された状態になります。(2)は反応が大幅に遅れると共に鈍くなっていく状態です。どうしたらいいのか判断放棄(破綻)が起きていく状態になります。こうした状況下のマネジメントリーダーは判断と決断をして行動するコトです。

 

 ここでは、起こした行動に対してフィードバックを掛け続ける以外良き方法がありません。つまり評価サイクルを極限まで短くし行動し続けていく、スピードが最大のマネジメントパワーであると私は信じています。みなさんは今回のCIVID-19への適応をどのように捉えましたでしょうか。

 

 

(感染された方や療養中に皆さんには一刻も早く回復されますよう心より願っています)