立止れるか、という設問を書きます。
この写真は、日本第二の高峰に向かう八本歯のコルから主稜線へ上がってきた約3,000mの高所にある、道標です。
小雨の中大変な急騰を登ってきたところです。山頂へ向かうべきか、小屋へ少し下りるのか立ち止まって判断をするポイントです。
そもそもこの道標が正しい向きを示しているのか、書かれている時間が今の状況に即しているモノなのか、そうした判断も必要でしょう。
前置きが長くなりました。マネジメント現場でも「立ち止まる」コトが出来るのかどうか、極めて重要なポイントでもあります。リーダーシップとは走りながら考えるコトに熱中するのではなく、立ち止まるという言葉で表しているように、客観的な思考力を常に持ってコトに当たれているかどうかです。
何故立止れないのか、という逆説的な問い掛けをしますが「とにかくやってみろ」という打算的な思考停止に落ちていないのかを自問してみる。僕も口を突いて出るのですが、「去年よりどのように成長していますか」という問い掛けをしています。時間軸は去年だったり、昨日だったりしていますが、観測点からのギャップの価値量を問い掛けています。
ケーススタディ
私は美しい絵を描けるようになりました。
そのような答えだとすると、去年より美しい絵というギャップが計測されたことに成るので、そのギャップを具体的にはどの様なコトなのか教えてください。
私は親切な人に成った。
去年より親切になったというコトですから、ここでもそのギャップを具体的に教えてください。
いったいどのように計測するのか、善良な市民の常識に照らしても、解らない評価の視点だというコトに気が付いていますか。ここで立ち止まって欲しいのです。美しいとか親切であるといった価値評価は難しいものですが、ダビンチは美しいをロジカルに計測するために「黄金マスク」や「人体骨格」などのレファレンスを示して評価しました。
もし価値交換を主眼にした起業を志向しているなら、その兌換価値を計測可能なものにして取り組む必要があります。よく成績評価の面談で「頑張った」という評価の視点を被評価者が持ち出すケースが有ります。評価者側から見ると全くの逆効果だとは気づかずに主張しているのです。同じ成果を出すのに多くの時間を使って「遅延挽回」を毎日しているので評価して欲しいといっているのです。その評価はすでに残業代として支払っているので過去の話になっているハズです。
少し話が逸れてきたので、「立ち止まる」コトが出来る人は戦略リーダーの素質があるという訳ですが、冷静な思考ができるという「教養」という概念がここでは適応されていると思います。
またいつか書き続けたいと思います。