(4)再び、それは何か

 「それは何か」という表題で始まりましたが、もう一度、それは何かで問われたコトが、応えられたのかどうか、振り返ってみたいと思います。

 

 Q1 あなたは誰ですか

 Q2 あなたは何ができますか

 Q3 あなたは何を成し遂げようとしていますか

 

 あらたにビジネスを起こしていこうとしている、起業オーナーを想定してストーリーを進めてきました。それでは振り返ってみましょう。

 

 

 A1 私は、起業オーナーです。

 A2 私は、お客様の利便性を高めるサービスを提供しています。

 A3 私は、起業したサービスを提供するコトで、地域社会が楽しく豊かになるよう貢献したい。

 

 ワークショップ型のセミナーでは、こうした成果物が提出されるコトが多いのですが、カルタ取りのように連想ゲームに成っています。初期段階のアウトプットイメージでは十分だとしても、実際にビジネス現場に立たれている方にとって、「きれいごとだ」「物足りない」など言った感想があります。重要な指摘です。

 

 この注文は、思考停止になっているコトに気が付いていない状態です。多くの経営セミナーでの最も重要なプレゼントは、「自らの気づき」にあります。何故、身も蓋もない話に帰結しているのかというと、ビジネスは真似をして解決するような同質の共通解は存在していません。つまり、ビジネスプランは起業オーナー自ら考え抜いたものでチャレンジするという不文律があるからです。

 

 逆説を述べておきながら、上段に提示しているエコシステムのリングは大よそ当てはめられるだろうと思います。新規性とは旧来のサービス細部が組み立て直されて、新しい機能を発揮している状態です。お客様さまも想像できない新規性では、外れモノとして敬遠されがちです。つまり似ているようでそうではない、細部へのこだわりやサービスが提供される環境などの ”差異化” が出来ていなければ、投資を受けるビジネスプランには成らないのだとみています。

 

 野球選手のバットが、自分のフィーリングを体現させる丸い木材の棒という表現では申し訳ないくらいの最深部に注意を払ってサイズを指定した注文をしています。たかが1mm, 1gですがそこに大差が潜んでいます。ビジネス上の気づきとして選手と職人さんが、思いを共有できる情報母体があるというコトです。 …先ほどの注文のように思考対象から手を放してしまうとゴールには辿り着けないのは明らかです。

 

 あなたは、お客様と「性能品質」と「感性品質」について共通言語を有していますか。

この分かり合える共通言語がなければ、提供するサービスの価値(値決め・損切り)を決めるコトが出来ないのではないでしょうか。 続きは機会があれば書いてみたいと思います。