(1)それは何か

 先ずは質問から始めましょう。

「あなたは、誰ですか」

 

 自分を定義づける一言なのですが、質問されて瞬時に返答できる人は極めて少ないと思います。不意打ちに近い問い掛けなので、大抵は無言の対面が続きます。

 

 私は、○○です。といったように返すのですが、立ち位置なのか、発揮できる能力なのか、未来の希望なのか、世界観が透けてきます。

事例では、「私は、エンジニアです」「私は、日本人です」「私は、オリンピックに挑戦しています」といった具合に応えていきます。

 

 次の質問へ移ります。

「あなたは、何ができますか」

 

 先の質問で自分のフィールドが明らかになったと思いますが、この質問では自身の価値を定義することに成ります。エンジニアであったりオリンピック挑戦者であるあなたが、世の中に提供している価値とはどのようなものでしょうか。といった内容になっています。

 

 最後の質問です。

「あなたは会社や組織を使って、何を成し遂げようとしているのですか」

 

 起業や副業といった思考の入口に立っている人に、お話をする機会があるのですが、相談者が今の仕事をどう考えているかどうか現状認識を最初に伺っています。今の立ち位置で、三つの質問に応えていただき、ご自身のキャリアプランあるいはライフプランを構造化していきます。

 この質問に応えていただくコトで、相談者の思考の土台が確りしているのだと確認しています。この土台が崩れているケースでは、今の会社や組織を脱して新たな起業や副業をしたいという想いを留まるようにお伝えしています。ライフプランにおけるリフォーミングを行うとき土台が腐っていては、構造物を載せていくコトは不可能だからです。

 

 続いて、時間軸を現在から未来へ移して、同様に三つの質問を繰り返してみてください。

「未来」と「現状」にギャップが生じていると思いますが、複数を同時に変えようとするとリスクが極大化しますので、できれば一つづつ取り組んでいくコトをお勧めしています。

 この段階での相談では、悩みや課題や行動といったコトが定量化されているかどうかを見ています。価値を数値化することがとても大切です。失敗しても良い経験という悪訓がありますが、何故失敗したのか解らない行動は最も慎むべきものです。なぜ成功したかも分析評価できていないと、単なる偶然の産物であり、繰り返しチャレンジするコトは叶わないものです。

 

またの機会に続けましょう。