本質を突いているか

 イノベーションファームで、起業していこうとする方が持っておられる、ビジネスプランについて内容や課題について、お話をするチャンスがあります。

 

 個人事業あるいは個人起業といったカタチで始めるプランニングが殆どです。このとき資金計画や収支計画あるいはキャッシュフローなどのお金にまつわるものを最初につくられる方が多いのですが、それらは手段プロセスを計画したものです。

 

 この様な、バリューチェーンやエコシステムなどの構築の前に、実は起業には大切なコトがあります。

 

 この図は、ビジネスプランの論点構造を示したものですが、多くのビジネスプランに当てはめることができます。しかも最重要なポイントは、起業して(社会)課題を解決して新しい未来価値を創造していこうとする目的であり設定されたゴールです。

 

 前振りが長く申し訳ないのですが、ゴールが共感できなければビジネスプランとしては不適合なのです。

  (1) 趣味や仕事で長く経験してきた、その好きなコトを起業してやりたい。

  (2) 収入を得るために、今やればお金になりそうなので起業してやりたい。

  (3) 資格や技能セミナーを受けたので、これで起業したい。

  (4) 突然だったが、事業相続したので、これで起業したい。

  (5) リタイヤしたので何かしないといけないので、このアイデアで起業したい。

 この様に、ビジネスを一人称で考えているケースですが、事業パートナーやスポンサーそしてペルソナ像を結ぶユーザーがまったく不在になっています。たくさんの利害関係者であってもビジネス目的が共有できなければ、スタートポイントにも立てないと思われるからです。

 

 幾つかの質問を発します。

  (ア) それは、どの様な社会課題を解決しようとしていますか。

  (イ) その解決策は、課題の本質を突いていますか。

  (ウ) ゴール設定は、科学的アプローチによって実現可能な指標を持っていますか。

 

 この質問の応えは、経営理念というカタチで、思考を表出した文書に書き起こされると考えられます。

理念というゴールを実現させるものが、ビジネスプランとして人々の前に表出している訳ですから、起業計画であっても、本質を突いているコトが大切であり効果的なアクションとなっていると私は信じています。

 

 この本質を突く、科学的アプローチといった主題は、NAOSワークショップで取り組む主テーマでもあります。