皆さんも日頃お世話になっているコンビニエンスストアの騒動を、ニュースでお聞きになっておられると思います。そもそも朝の7時から夕刻の11時までをショッピングタイムとして起業されたものです。その後店舗オペレーションの効率化から24時間営業が導入されました。商品搬入と検品そして陳列とお客様が居ない深夜がオペレーションの時間帯として割り振られたという事業者側の事情で企画されたものです。
いったい何が問題となっているのでしょうか。
なぜ深夜帯に作業を集中させたのかというコトを知る必要があります。商品集荷の機能をもったハブとなる倉庫から配送トラックが店舗をグルグル回る、ドミナント型のビジネスモデルを採用しています。店舗から見ると一つ売れれば一つ補給するようなジャストインタイムの受発注システムが成立すれば、深夜作業は略無しで済みます。この1個流しのシステムでは物流を担っているトラックが溢れかえることに成ります。運転手不足から、まとめて配送することで検品・陳列が長時間になっています。
別の角度から見てみましょう。消費者は自宅から商品がデポされたコンビニ店舗まで300m歩きます。他方ネットワーク型のショップはこの300mすら歩かないで済むようなシステムになっています。商品製造の会社から送られてくる中央ハブの倉庫、物流システムは非常に似たカタチで構成されています。後者のビジネスは、コストの高い店舗やブラック勤務のオペレーション人員が必要ない上に、店舗にいったんデポする機能が不要ですので、実に多様な商品を自宅に送り届けることができます。
いやネットショッピングでは熱々のオデンが買えないという方がいます。そこです。コンビニの機能はオデンを売っているコトだともいえます。つまり店舗で創るオデンを販売するために、冒頭のビジネスリスクが存在していることに成ります。それ以外は24時間休みなくはたらいても、あらゆる品ぞろえをしたネットショッピングの提供しているコンビニエンス性能を上回ることはありません。ビジネス上の経営課題とした、深夜のアルバイトの確保が成されたとしても、競争優位になる条件を満たすことができなくなっている訳ですから、時短型店舗という問題の本質を外した実験では、消滅戦略だとも言えるのではないでしょうか。
この図は、左側がコンビニエンスストアのビジネスモデルで、右側がネットショッピングのビジネスモデルです。
「宅配ピザ」と「おでん・唐揚げ」は、ネットショッピングが未だに克服できない商材なのです。