1970年から山を歩いてきたスキルが活かせると思い、昨年より自然公園でボランティア活動を始めました。さらに新しい山歩きの経験知を増やして、自分の心技体として活動域を進化させていきたいと願っています。マネジメン主題の Blog にノイズのように混じりますが、どうぞご勘弁ください。
さて、皆さん。山を始めた人に歩くという動作を説明するという難題に遭遇したことはありませんか。実は、このテーマは判っているようで説明に窮してしまいます。ところで皆さんは、どのようにして歩いているのでしょうか。
立ち止まっている状態は、人体の重心点が両足の底の上に必ずあります。歩き出すためには重心点を足裏から前方へ移動するために、頭部が前のめりになります。バランスが崩れて初めて片足が踏み出されます。片足立になる時間帯がある訳ですが、片足で体重負荷を支える必要があります。
(1) 荷物を背負って片足立ちができるコト。
さて次は登坂と下り坂のケースです。
登りは、バランスを崩しても前方に転倒するケースが殆どですので、踏み出す足の筋力があれば踏ん張れますし、手が前方に出て防御の姿勢をとるコトが可能です。下りは、バランスを崩すというリスクを甘受して前のめりになり、踏み出す足は空中に浮かんでおり、着地の荷重が掛かかるときには加速度が更に加わってきます。従い下りは、登りより動的平衡がますます大切になってきます。
(2) 動的平衡を保つ筋力を持っているコト。
最近、ウオーキングストックという危険因子を持って歩く方が多くなっています。これは何の効用があるか、その目的を理解しているか、といった問題が潜んでいます。殆どの人は筋力を補完する杖という理解ですので、歩いているときに体重が掛けられています。クロスカントリーのストックは後足の蹴りを補完するツールです。
山でこの使い方は非常に危険だというコトは理解していただけるハズです。
(3) ストックは動的平衡のバランサーである。
基本的に、倒れたときには背中で着地するのではなく、うつ伏せで山側に倒れるコトが大切です。腕の輪で、雪や石や砂を抱え込む意識でストッパーの役割を期待します。
(4) うつ伏せで山側に倒れる意識があるコト
最後まで読み進めていただいた方に、転倒する真因をお知らせします。
何と言っても、人は足元を見ているハズですが、実は足元を両眼で測距しながら歩いてはいないのです。また目線が遠くから中距離の足元まで戻ってきて段差を計測し認識するまでに、約々1秒近くのタイムラグがあります。
歩く速度が4km/Hだとして、歩幅が50cmでは1秒間の歩数は約2回になります。つまり焦点が確りと合っていない状態で歩き続けているという事実があります。
(5) 足元を見て歩くコト